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2025.06.30
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コラム

静電塗装設備の自動化とIoT導入による生産性改善の実践例

 

静電塗装設備の自動化がもたらす生産現場の変革

人手不足・品質安定に応える「自動化」の意義

静電塗装は従来から高品質な塗膜を実現できる塗装方式として、多くの製造現場で採用されてきました。しかし、近年では単に塗装の品質を追求するだけでなく、生産性や効率性を向上させる手段として、静電塗装設備の自動化が急速に注目を集めています。特に人手不足や多品種少量生産のニーズが高まる中で、設備の自動化は現場の競争力維持に欠かせない選択肢となっています。

 

 

人的工数の削減と、標準化による品質の平準化

静電塗装設備の自動化によって、まず大きく変わるのは人的工数の削減です。従来の手動塗装では、熟練の作業者が必要であり、技術習得にも時間がかかります。さらに作業者の技能に品質が左右されやすく、安定した塗装を維持するには大きな労力が求められました。

 

しかし、自動ガンやロボットアームの導入により、塗装の工程は標準化され、誰が操作しても同じ品質が出せる体制を構築することが可能になっています。

 

 

実例:塗膜ばらつきを解決した自動化導入の効果

例えば、ある中小製造業では、人手による静電塗装を行っていた際に、作業員の交代によって塗膜厚にばらつきが出るという課題を抱えていました。そこで、自動ガンを備えた塗装ロボットと、ターンテーブル式の搬送ラインを導入したところ、塗膜の均一性が大幅に改善し、品質不良による再塗装や手直しが大きく削減されました。

 

このように、自動化は単なる省人化にとどまらず、品質の安定化と作業の平準化にも直結する効果があります。

 

 

多品種少量生産にも対応する柔軟性

また、静電塗装の現場では、多品種少量生産に対応しなければならないケースが増えています。そのような状況下でも、自動化設備は柔軟に対応できます。例えば、塗装パターンのプログラム切替や品種ごとのガン位置の自動調整機能を備えることで、ライン停止時間を最小限に抑えながら品種変更が可能になります。

 

結果として、少量でも効率的に塗装が行えるため、小ロット注文に対応できる生産体制が整います。

 

 

設備投資の費用対効果と導入の考え方

こうした導入に際して課題となるのが、やはり初期投資の大きさです。自動化設備の導入には数百万円から数千万円規模の費用がかかる場合もあり、慎重な判断が求められます。しかし、導入企業の多くは、省人化による人件費の削減、不良品削減によるロスの圧縮、生産リードタイムの短縮など、複数の効果を組み合わせることで、3〜5年程度での投資回収を見込んでいます。

 

また、助成金や補助金制度を活用して、導入コストの一部を軽減する取り組みも広がっています。これにより、資金面での負担を抑えながら、自動化による競争力強化を図る中小企業も増えてきました。

 

重要なのは、「すべてを一気に自動化する」のではなく、工程の一部から着手し、段階的に導入範囲を広げていくという現実的な進め方です。

 

 

自動化がもたらすのは「技術の共有化と働き方の変革」

静電塗装の自動化は、単なる技術導入にとどまらず、現場の働き方そのものを見直す契機にもなります。作業者の負担を軽減し、職場の安全性を向上させ、品質の安定とコスト削減を同時に達成できる手段として、今後も多くの現場で導入が進むことが予想されます。

 

自動化の取り組みは、静電塗装を「熟練者の技」から「誰でも扱える生産技術」へと進化させる、大きな一歩と言えるでしょう。

 

 

IoT導入による静電塗装ラインの「見える化」と改善サイクル

静電塗装ラインにおける「見えないムダ」の存在

静電塗装の品質は非常に高いものの、その工程内には目に見えないムダや非効率が潜んでいるケースが多くあります。たとえば、機械の稼働停止時間や塗装不良の発生頻度、材料使用量のばらつきなど、数値として把握できていなければ、改善の糸口が見つかりにくくなります。そこで近年注目されているのが、IoTによる「見える化」の導入です。各設備にセンサーを設置し、リアルタイムでデータを収集・分析することで、従来は感覚や経験に頼っていた部分に対して、客観的かつ継続的な改善を実現することが可能になります。

 

 

センサーとPLC連携によるリアルタイム監視

IoT化の第一歩は、塗装設備にセンサーやカメラを設置し、稼働状況や温度、湿度、塗料圧などの情報をリアルタイムで取得することです。これらのデータはPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)と連携し、設備全体の動きを一元的にモニタリングする仕組みとして活用されます。

 

たとえば、搬送ラインの停止時間や、ガンの噴射不良が発生した時間帯、塗装中の電圧変動などをリアルタイムで把握することで、異常の早期発見と対応が可能になります。従来は設備のトラブルに作業員が気づくまで時間を要していた場面でも、IoT導入後は即時のアラート通知や自動停止機能が組み込まれ、生産ロスを大きく抑えることができます。

 

 

品質改善につながるデータ活用の事例

IoT化の本当の価値は、単なる「見える化」にとどまらず、改善サイクルにデータを活用できる点にあります。たとえば、過去の塗装不良発生率と塗装時の環境データ(温度・湿度・静電圧など)を突き合わせることで、不良の発生傾向や原因を分析できます。

 

ある事例では、塗膜のムラが特定の時間帯に集中して発生していることが判明し、その時間帯に限って設備周辺の湿度が上昇していたことがデータから分かりました。これを受けて換気装置の運転タイミングを見直すことで、不良率を20%以上削減することができたという報告もあります。

 

このように、収集したデータを蓄積し、工程改善に活用する体制を整えることが、IoT導入の最大の目的といえます。

 

 

メンテナンスの最適化と予知保全への応用

もうひとつの重要なポイントは、メンテナンスの最適化です。従来の静電塗装ラインでは、故障が発生してから対応する「事後保全」が主流でしたが、IoTによって設備の状態を常時監視することで、劣化の兆候を事前に検知し、部品交換や整備を計画的に行えるようになります。

 

たとえば、モーターの振動や温度の変化をモニタリングすることで、異常兆候を把握し、実際のトラブルを未然に防ぐことができます。これにより、突発的なライン停止を防ぎ、メンテナンス作業の効率化と予算の平準化が実現されます。

 

 

データに基づく継続的改善の文化づくり

IoT導入を単なるシステム導入に終わらせないためには、データに基づいた改善活動を現場の日常業務に根付かせることが重要です。KPI(重要業績評価指標)として、不良率や稼働率、停止時間の推移を可視化し、月ごとの改善目標と実績を比較する体制を整えることで、改善が継続的に回るようになります。

 

このような改善サイクルを定着させることで、現場全体が「結果を数字で見て、次に活かす」ことに自然と意識が向かうようになり、生産性向上の取り組みが属人的でなく組織的に推進されるようになります。

 

 

 

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幸南工業の静電塗装について、

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